藤田嗣治展@東京都美術館

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フジタについては、これほど国内で賛否両論ある画家もいないのではないか。
とある重鎮のキュレーターの方にギャラリートークの上達法をお聞きする機会があったのだけれど、「対象を好きになること。だから僕はフジタに関しては語れない。」とのこと。いわずもがな。
総じて男性は否定的、女性は肯定的に思えるのだけれど、そこは戦争画→国籍変更をどう捉えるかの違いだと思う。
著作権の地雷がある作家のベスト(ワースト?)3とも言われるらしいフジタの回顧展はこれまで開かれにくかった。今回の回顧展は天晴!と言ってもいいのではないか。
女性のスタッフが中心となって進めたという本展は、グッズを含めフジタ愛を感じる。中心となったキュレーター林洋子さんは、長年フジタを追い、いくつかの藤田展を企画されてきた方だ。乳白色や戦争画という固定観念を取り除き、公平な藤田を見つめるいい機会だと思った。

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モネ それからの100年展@横浜美術館

モネの睡蓮、風景画の展示とその影響を受けたと思われる作家、あるいはオマージュ作品。現代アートがかなりあり、モネがその後の絵画史に大きな影響を与えたことがよくわかる。

 

色と形の変革。このころの絵画史は先人を乗り越えようとイズムを刷新し続けたわかりやすい時代。それに比べて現代アートは自己の探求に進むから、他者にはわかりにくいのかも。

 

モネから現代アートの飛躍が大き過ぎて、モネ目当てで来ると戸惑われるのでは?せっかくワクワクする現代アートの名品に素通りの方が多く、展示の難しさを感じた。

 

横浜美術館はコレクション展と企画展のリンクがいつもうまい!目立たないけど写真の展示がモネと同時代ですごく楽しめる。

 

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イサム・ノグチー彫刻から身体・庭へ@東京オペラシティアートギャラリー

イサム・ノグチは、評伝も読んでいるし、映画「レオ二―」も観ているし、思い入れのある作家。
どうしても来たかった。

1枚目のドローイングでドギマギ。
なんて綺麗な曲線を迷いなく引ける人なんだろうか。
作家との相性は、理屈なくとにかく感性がぴったり合うことがあって、私にとってイサム・ノグチはそういう人のひとりだ。
とにかく線とか質量とか質感とか全部フィットする。

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水を描く@山種美術館

猛暑に清涼のひととき。
様々な作家の水の表現の違いが楽しめる。
これだけ水が作品の重要な要素になっているのは、日本が豊かな水のくにであるからこそ。

先日レクチャーを受けた佐藤悠さんの鑑賞術の一つにあった「自分ではない者になってみる」。
山元春挙の《清流》の中の飛ぶ鳥になって、最高の気分だった。

 

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フェルメール 光の王国展2018@そごう美術館

色々ツッコミどころのある展覧会。
オリジナルの品格を落としめているような複製画。
プラスティックの額縁がそれを物語る。

37点もそれを見せられて辟易していたところ、絵に登場する楽器のレプリカの展示。
これは結構面白い。

後半の顕微鏡の父レーウェンフックやカメラオブスキュラ、絵の中の寓意、消失点の解説、画材解説は、基礎知識があれば楽しめると思うけれど、展示後半でお疲れ気味のみなさんは素通りしていた。
フェルメールって何?という人には前半の複製画で分かった気になっておしまい。
純粋に絵を楽しみたい人には、中途半端な展示。
展覧会は誰に、何のために、どのように発信するか。

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原宿アートハシゴ 2018.8.9

落合芳幾@太田美術館。
知名度はあまりないけど良い絵師。
人体デッサンがしっかりしてるなと思う。

キース・へリング@表参道ヒルズ
ユーモラスな画風だけど、風刺が効いていて重いテーマが多いことがわかる。
ポップカルチャーの大御所のハートは決してポップではない。

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椹木野衣『感性は感動しない』

読了。
サブタイトルが「美術の見方、批評の作法」とあり期待値高めで読み始める。
今私の中で抱えている疑問を解決する糸口が欲しかったこともある。
読み物としては、決して面白くないわけではないけれど、誰もが言いそうな事ばかりで、守りに入ってるのでは。
好きな批評家だから、もっと仰け反るようなことを書いて欲しかったし、椹木さんやっぱり凄いねーって所を見せて欲しかった。
ツイでの評判は上々なのだけど。

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