運慶展 @東京国立博物館

話題の運慶展。会期終了間際だと確実に混んでくるはず。

今日は土曜日でありながらも、数日前から急な寒さと悪天候で、こんな日ならきっと空いているに違いないと、出かけていきました。

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予想通り、待ち時間なし。そこそこ来館者はいたものの、不自由なく見ることができました。

 

鎌倉時代の仏師と言えば、運慶と快慶。2人は血縁関係にあったと思っていたら、違いました。奈良仏師・康慶の息子が運慶、血のつながらない兄弟子が快慶なのですね。

 

今回は運慶にスポットが当てられているので快慶の作品は出て居ないのですが、快慶は理想主義的で静的な作風で、運慶は表現過多になるくらいのリアルで動的な作風。ダ・ヴィンチミケランジェロみたいな対比に思えます。

 

父康慶から運慶、その息子や弟子へと系譜が繋げられ展示されていますが、やはり運慶は出色に思えます。

 

仏様やその弟子たち、高僧などそれぞれのお顔が写実的で個性が表れています。

鎌倉時代仏画や絵巻物など絵画の世界では、あまり肉体的なリアルさが追求されません。でも運慶の彫刻は顔のしわ、血管、筋肉のつき方までリアルです。こんなに目指すものが根本的に違うのはなぜなんだろうと思ってしまいました。

この当時水晶を嵌め込んで目の輝きを生き生きと表現できたことは、まさしく仏に魂を入れるような感覚になるのでしょう。

 

運慶の今にも動き出しそうな動的な魅力は、ポーズと衣の表現に尽きるのだろうと思いました。

いわゆる「決めポーズ」といった一瞬の動きをとらえたさま。棒立ちではない、屈伸やひねりを加えたポーズは、おそらく弟子などにポージングさせたのではないでしょうか。

 

また、まるでそこに風が吹いているようにたなびいた衣。挙げた腕から袖が捲れている様子もすごい。衣の動きがその像の内面的性格付けをするほどの重要な要素になっているようです。

 

さらに近くで見ると、とても精密な衣の文様がかなり残っています。照明が十分でなかった当時のお堂に設置するため、仏像は華やかに彩られていたと聞きます。できた当時はどれほどきらびやかだったのだろうと想像するだけでワクワクします。

 

運慶。やっぱりすごいです。

 

八大童子立像のコーナーは10代の男の子の像8体。

まるでジャニーズJr.みたいですね。

それぞれに個性的です。

f:id:artwriter:20171014232220j:plain八大童子立像のうちの制多迦童子

 

私の押しメンは彼です。

知的でキリリとしたお顔立ちが素敵です。

 

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