近代日本の洋画は中途半端な存在なのかもしれない。 日本、といえば日本画が主流。(なのかもしれないし)油絵、といえば欧米が本家。(なのだし)現代の日本のアート・カルチャーは、クール。(だといわれているし)近世以前の日本の芸術・工芸は、個性的。…
緊急事態宣言が緩和し美術館が再開された。 今回のコロナ渦中で学んだことは、行こうと思う展覧会はとにかく早く行っとく!ということ。 そこで早速東京ステーションギャラリーに向かった。 芸術史を学べば学ぶほど、当然だけれど作家も生きた人間であり、生…
緊急事態宣言で都内の美術館がクローズになってしまったので、近場の美術館へ。 こういう時、地元の美術館が元気であるのはうれしい。 6月13日まで平塚市美術館では三重県立美術館全面協力の「柳原義達展」と地元コレクター荒井寿一氏の「川瀬巴水展を行…
かつてモンドリアンの絵の様なドレスがあったな、と調べてみたら1965年のイブ・サンローランの作品「モンドリアン・ルック」のことだった。 黒い直線に赤・青・黄の四角。モンドリアンといえばまさにこれ。 今回の展覧会に展示された下の作品も一連の作品の…
https://ayashiie2021.jp/ ←あやしい絵展 公式サイト 待ちかねた本展の会期最初の週末。行ける時間枠にたった1枚あったネット予約枠を得て会場に向かうと、そこには長蛇の列。 事前予約なしでも、行列覚悟なら観覧できたのか。いや、でも、密。 その長蛇の列…
前記事に引き続いてArt Fair Tokyo2021のレポです。 本記事は絵画編となります。 三宅 信太郎 三宅信太郎さんのユーモラスな動物たちは、身近に置きたいアートとして最適かもしれません。 三宅さんはアール・ブリュットにも影響された作家さんだとのことで、…
Art Fair Tokyo 2021 会場風景 コロナ禍の影響で昨年は中止となったArt Fair Tokyoが今年は無事開催されました。 今迄アートは「観るもの。そして美術館に在るもの。」と思っていた私も、そろそろ「現代を生きる作家さんにも目を向け、できるなら所有もした…
https://yokohama.art.museum/special/2020/trialogue/index.html 横浜美術館はこの展覧会を終了すると、2021年3月1日(月)から大規模改修工事にともない長期休館に入る。 親しみのある地元の美術館に行けなくなるのは寂しくて、見納めのような気持ちで本展…
桑久保徹@茅ヶ崎市美術館 茅ヶ崎市美術館で2月7日まで開催されている「桑久保徹 A Calendar for Painters without Time Sense.12/12」 を観に行った。 現代に生きる桑久保徹が12人の巨匠のアトリエ(スタジオ)をイメージして描いた12枚の作品を「カレンダ…
一年ぶりになるでしょうか。 おひさしぶりです。 やっと修士論文を書き終えたので、マイペースで駄文を綴っていこうと思ってます。 ------- さて、少し前になりましたがNHK「日曜美術館」で「STARS それぞれのデビューから現在」が放映されていましたが、ご…
国立新美術館で行われていた当展。話題になっていたのは知っていたけれど、見逃してしまった。たまたま来阪していたので、行ってみた。 批評を読んでも、ボルタンスキーについての予備知識がなかったので、どんな展覧会であるか予想がつかず。それもまた良し…
表現の自由と「誰も傷つけない表現」という難しい議論があるようです。 www.j-cast.com ここで私自身の経験から少しお話してみたいと思います。 私には15年ほど前、大変身近な人を海の事故で亡くしたという経験があります。 大好きだった海を見るのもつらい…
昨年、私が通信で学んでいた(卒業見込みなので「いる」かな?)大学が主催した「芸術の永遠のテーマ『ヌード』を通して美術史を知る 人はなぜヌードを描くのか、見たいのか。」というテーマの5回完結のオープン講座を受けました。 1回ごとに篠山紀信氏、…
今年もあと3日。年末年始休暇に入る美術館もチラホラ。 今年の美術館詣では打ち止めだと思うので、ここで総決算。今年行った展覧会(アートシーン)。一体いくつ?数えてみました。 ◎は、純粋に良かったもの。 〇は、気軽に行ったら期待以上だったもの。 1. …
レディメイドの車輪やベン…いや、《泉》などや、現代美術の教科書に掲載されてる写真とかもいっぱいあって、ミーハー的にワクワクした。授業で習った通りちゃんと「R.MUTT」のサインがある! 《チョコレート磨砕器》《彼女の独身者たちによって裸にされた花…
ボナールの絵が好きだと思ってたけれど、惹かれる絵はその中で限られてたというのがわかって、自分でもちょっとびっくり。あんまりグッと来た絵が少なくて、(以前見たものが結構あったせいかもしれないけれど)実はそんなに好きじゃなかったのかも。 ナビ派…
厚塗りルオーの宗教画の数々。明るい色彩と石膏のようにも感じるマチエール。受難のキリストにも温かさと優しさを感じる。 冒頭のモノクロームの版画にすらルオーの質感が感じられるのが凄い。「生きるとはつらい業…」「でも愛することができたなら、なんと…
フジタについては、これほど国内で賛否両論ある画家もいないのではないか。とある重鎮のキュレーターの方にギャラリートークの上達法をお聞きする機会があったのだけれど、「対象を好きになること。だから僕はフジタに関しては語れない。」とのこと。いわず…
モネの睡蓮、風景画の展示とその影響を受けたと思われる作家、あるいはオマージュ作品。現代アートがかなりあり、モネがその後の絵画史に大きな影響を与えたことがよくわかる。 色と形の変革。このころの絵画史は先人を乗り越えようとイズムを刷新し続けたわ…
イサム・ノグチは、評伝も読んでいるし、映画「レオ二―」も観ているし、思い入れのある作家。どうしても来たかった。1枚目のドローイングでドギマギ。なんて綺麗な曲線を迷いなく引ける人なんだろうか。作家との相性は、理屈なくとにかく感性がぴったり合う…
猛暑に清涼のひととき。様々な作家の水の表現の違いが楽しめる。これだけ水が作品の重要な要素になっているのは、日本が豊かな水のくにであるからこそ。先日レクチャーを受けた佐藤悠さんの鑑賞術の一つにあった「自分ではない者になってみる」。山元春挙の…
色々ツッコミどころのある展覧会。オリジナルの品格を落としめているような複製画。プラスティックの額縁がそれを物語る。37点もそれを見せられて辟易していたところ、絵に登場する楽器のレプリカの展示。これは結構面白い。後半の顕微鏡の父レーウェンフッ…
落合芳幾@太田美術館。知名度はあまりないけど良い絵師。人体デッサンがしっかりしてるなと思う。キース・へリング@表参道ヒルズ。ユーモラスな画風だけど、風刺が効いていて重いテーマが多いことがわかる。ポップカルチャーの大御所のハートは決してポップ…
読了。サブタイトルが「美術の見方、批評の作法」とあり期待値高めで読み始める。今私の中で抱えている疑問を解決する糸口が欲しかったこともある。読み物としては、決して面白くないわけではないけれど、誰もが言いそうな事ばかりで、守りに入ってるのでは…
とても面白かった。クレパスの画材としての表現力は多彩。特に夏を感じさせる色彩には抜群の表現力だ。どうしてこうも他の画材より訴える力を持つのかと考えたら、クレパス画は近視的に制作するからじゃないかという私なりの結論。塗りこめる時もより作品に…
話題のスポット行ってきた。刺激的で、ワクワクして、童心に帰って、時間も忘れて遊んだ。膨大なプロジェクションマッピング、描いた絵がキャラクターになって動くなど近未来的体験。でもアートスペースとアトラクションの違いって何?アートって芸術とは、…
飛び切り美しい肉体を持つミケランジェロ芸術に至る人体表現の歴史。横浜美術館でやっていた「ヌード展」とも繋がる主題でもある。コントラポストも男性のヌード表現が始まった理由も西洋美術史で習ったよなあと復習。冒頭のむちむちプットーさんのレリーフ…
平塚市美術館がこの夏休み、異例の長蛇の列。作家本人が制作に行き詰まった時に金魚を見ていて救われたという「金魚救い」。以来金魚のモティーフにこだわり続ける。アクリル樹脂に描かれた作品、彫刻、絵画、インスタレーションと金魚づくし。今の季節にぴ…
奈良美智作品。サブカルっぽくて、カワイイだけで、これ、ゲイジュツ?と懐疑的だった私。友達には「そう言わずに奈良美智の空間に行ってごらん。考えが変わるから」と苦笑されてた。昨日原美術館で出会った奈良美智「My Drawing Room」。いっぺんに虜になっ…
完成した作品は少なく、草稿、写生、下図が殆ど。逆にそれがとても面白かった。 下図に書き添えられたメモ書きを必死になって読んで見る。神草の植物のスケッチが秀逸。花々がとても愛らしい。 半襟や長襦袢に描かれるハート状の花びらが散っているのもとっ…