美術書籍

『日本洋画の人脈』 田中 穣

近代日本の洋画は中途半端な存在なのかもしれない。 日本、といえば日本画が主流。(なのかもしれないし)油絵、といえば欧米が本家。(なのだし)現代の日本のアート・カルチャーは、クール。(だといわれているし)近世以前の日本の芸術・工芸は、個性的。…

椹木野衣『感性は感動しない』

読了。サブタイトルが「美術の見方、批評の作法」とあり期待値高めで読み始める。今私の中で抱えている疑問を解決する糸口が欲しかったこともある。読み物としては、決して面白くないわけではないけれど、誰もが言いそうな事ばかりで、守りに入ってるのでは…

『女性画家列伝』若桑みどり著

アルテミジア・ジェンティレツキのレポートを書くために図書館で借りた若桑みどり著「女性画家列伝」。 アルテミジアの章だけ読んで返そうと思ったら、あまりにも面白くて全部読んでしまいました。 昔から女性画家はきわめて珍しく、歴史上名を残した12名を…

「洲之内徹が盗んでも自分のものにしたかった絵」

若いころ、数回所謂「銀座の画廊」というところに足を運んだことがあります。 とても見たかった画家を見に行ったこと、縁のある方の展示を見に行ったこと、 たぶんそんな用事だったと思うけれど、いかにも「絵なんぞ買えそうもない」自分がそこに足を運ぶこ…

『大正を駆けぬけた夭折の画家 高間筆子幻景』 / 窪島誠一郎

高間筆子とは 私は大正期に夭折した2人の画家、関根正二と村山槐多に強く惹かれるのだけれど、窪島誠一郎はこの2人に高間筆子を加え「大正期の若き天才オリオン」としています。 ときは、大正。ところは隅田の河のほとり。「丸惣」という石炭運送をいとなむ…

『芸術闘争論』/村上隆

村上隆の良さ 反論を覚悟で言い切ってしまうと、村上隆の良さがわかりません。 ルイ・ヴィトンの美しいバッグの上に村上隆のパンダが描かれたコラボ作品を見て「なんと勿体ない!!」と思ってしまった金槌頭です。 お花やパンダちゃんはカラフルで可愛いとは…