浮舟りつのこと

はじめまして

このブログでは、観てきた展覧会、アート関係の書籍の感想などを綴っていきたいと思っています。

ワタクシ浮舟りつは、現在某ミュージアム系サイトでレポーターとして取材記事を書いております。そこでの記事は本名で署名しており、他の場では発表できませんので、ここではレポートしなかった展覧会について触れていきたいと思います。

美術との出会い

私と美術の出会いは、2013年に亡くなった父の影響です。父は普通のサラリーマンでしたが、休日には趣味で油絵を描いていました。

その父に連れられて小学校就学前から美術館にしばしば行っていたものです。もともと空想癖がある子供でしたので、絵の中に描かれたお姫様や綺麗な女の子とお話をしたり、絵の中の風景から物語を作ったり。美術館は小さな私にとって、ファンタジーの世界の入り口だったのかもしれません。

都内の大学生になって、授業が早く終わった日などひとりで美術館に行き出してから、美術館巡りは趣味の一つになっていきました。

ちょっとした後悔

父の死の数カ月前、病床の父とじっくりと話す時間が持てました。父の好きな山並みの見える窓辺で。

父は、「りつは、とうとう僕の絵をほめてくれたことがなかったね。」と笑いました。

私としては、一応ほめていたと思うのですが、いかんせん素人画家の絵です。心から「すごいねー!」と思えなかったところが父に伝わったのでしょうか。そのときチクリと心にちいさな棘が刺さりました。

そして父の死後、父の遺した膨大な数の作品をどうしようかと母と相談しました。母は「邪魔になるから少しだけ残してほどんど捨ててしまおう」と言いました。

では、どれを捨てるか。あれこれと眺めているうちに生前は拙いと思っていた絵も「庭の柿の木を描いている」「この薔薇は今でも庭に咲いている」「地元の海が好きだったんだな」などと父が見つめたモノたちがとてもいとおしく思えてきました。とても簡単に処分できるものではありませんでした。

絵画とは、描き手の目と心が表出した、作家の生きた証でもあるのですね。

再び大学生になる

そんなことがあってから、今まで「好き嫌い」という感覚だけで観ていた絵画をもっとつきつめて勉強したくなりました。

その結果、2016年から某芸術系大学の通信制で美術史を学びはじめました。実にン十年ぶりの女子大生です。ずいぶんと薹がたっていますけれどね。

社会人でもあり、主婦でもあり、母でもある中での勉学は大変ではありますが、日常とは違うスイッチを入れる楽しさもあります。

また、美術館へは学割がきくのでオバサンが「学生1枚!」といって学生証を提示するときの快感はナカナカです。

現在、勉強の必要性から年5~60本は展覧会に行っていますが、行った先からどんどんと記憶も感動もあいまいになってしまいます。せっかくの鑑賞をこのブログを覚書としていけたらと思っています。

拙いブログではありますが、息長く綴っていけたらと思っております。今日はお立ち寄りくださりありがとうございます。これからもお付き合いいただけたらとてもうれしく思えます。良いご縁が結べますように。

浮舟 りつ
 
 
 
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