2017-01-01から1年間の記事一覧
「日本美術、特に浮世絵が近代西洋美術の閉塞感を払拭した」「ジャポニスムがなければ、現代アートは存在しなかった」と信じ込んでいる私です。 ですからこの「北斎とジャポニスム」の企画を聞いて、「よくぞやってくれました!」と大歓迎でした。 最近の日…
我が家からだとドアツードアで2時間半。そんなに遠い千葉市美術館までわざわざ足を運んだのは、↓がどうしても観たかったから。 www.museum.or.jp 日本美術史の授業の中だったと思うけれど、北野恒富のこの絵が紹介されたのがとても印象に残っていました。 《…
最近美術館の老朽化に伴い、各館で設備工事が行われているんだそうです。 神奈川県立近代美術館もその一つで、収蔵物を避難させなきゃいけない。 そんなわけでご近所の美術館に預かってもらったり、展示で貸し出したりしているらしい。 今回の片岡球子の一連…
話題の運慶展。会期終了間際だと確実に混んでくるはず。 今日は土曜日でありながらも、数日前から急な寒さと悪天候で、こんな日ならきっと空いているに違いないと、出かけていきました。 予想通り、待ち時間なし。そこそこ来館者はいたものの、不自由なく見…
本日こんなメールが来ていました。 (id:artwriter) さま、お元気ですか? アートにつぶやく を更新されてから約1ヶ月が経過しました。そろそろ次の記事を投稿してみませんか? はてなブログは、あなたが日々の生活から感じたこと、考えたことを書き残すこと…
先日私の敬愛するギタリスト、小倉博和さんのライブが行われるので桜新町に行きました。 桜新町と言えば・・・サザエさんの街。 長谷川町子美術館にも寄ってみることにしました。 桜新町の駅を出ると「サザエさん通り」の旗が!あちこちにイラストやモニュメ…
アルテミジア・ジェンティレツキのレポートを書くために図書館で借りた若桑みどり著「女性画家列伝」。 アルテミジアの章だけ読んで返そうと思ったら、あまりにも面白くて全部読んでしまいました。 昔から女性画家はきわめて珍しく、歴史上名を残した12名を…
大正時代に夭折した画家、関根正二を追っているので、彼の生きた時代の恋愛観を知りたくて、弥生美術館の企画展を観てきました。 弥生美術館は、文京区根津の東京大学に隣接しています。 弥生美術館と隣にある竹久夢二美術館は、鹿野琢見が開設した美術館で…
ルネサンスの三大巨匠といえば、レオナルド・ダ・ヴィンチ、ミケランジェロ・ブオナローティ、ラファエロ・サンティですが、ラファエロは若くして亡くなったせいか、レオナルドとミケランジェロが比較されることが多いようです。 この2人どっちが好き?と聞…
渋谷Bunkamuraで、「ベルギー奇想の系譜」を観てきました。 6月にバベルの塔を観に行ったばかりですから、飽きてしまうかな、と思いきや。ワクワクドキドキ楽しい展覧会でした。 ボスを発端として、いったいベルギーはどうしちゃったのだろうと思います。 ヨ…
公共の通信に乗せるにはお恥ずかしい素人作品です。 しかし私にとっては大切な絵。 《江の島》SM(サムホール) 父が使っていたイーゼルにそのまま置いて、私の部屋に飾っています。いくつか遺っている作品の中でももっとも好きなものです。 地元のこの海を…
ずっと気になっていた「聖徳記念絵画館」。 場所は、神宮外苑。神宮球場のすぐ近く。 大正15年に完成した建物は美しくて、秋は青山通りからこの建物を見ると銀杏並木が映えてまさしくフォトジェニック。 私はこの正面にある対の一角獣が好き。 大学が近所な…
若いころ、数回所謂「銀座の画廊」というところに足を運んだことがあります。 とても見たかった画家を見に行ったこと、縁のある方の展示を見に行ったこと、 たぶんそんな用事だったと思うけれど、いかにも「絵なんぞ買えそうもない」自分がそこに足を運ぶこ…
当時近代日本の絵画に無知だったころ、この絵を一目見て衝撃を受けました。 《裸体美人》(1912) 生命力の塊のような腋毛をもあらわにした半裸の女性。うねるようなタッチと赤と緑の補色の対比。ゴッホとマティスが手を取り合ったような作風です。日本にこ…
東郷青児記念損保ジャパン日本興亜美術館にて、「生誕140年吉田博展 山と水の風景」を観てきました。 吉田博(1876‐1950)といえば、故ダイアナ妃やフロイトが愛した木版画で有名ですが、今回は水彩画、油彩画、日本画と多彩な作品が出展されていました。 20…
「二人のフリーダ」 「私の誕生」 これら絵を見て、おどろおどろしい、気味が悪いと思う方も多いことでしょう。 でも私は、好きです。 フリーダ・カーロ(1907-1954)メキシコの画家。 6歳の時にポリオに罹り、右足に障害を持つ。18歳の時にバス内で事故に遭…
以前春陽会の画家さんの版画を奥様から売っていただいたことがありました。 その時は私もまだ若く、私のお財布事情を察してのお友達価格だったのかもしれません。 ずいぶんとリーズナブルにしていただいたような気がします。 さて・・・。 もしこれを購入す…
以前ヴェネツィア・ルネサンスの展覧会に行ったとき、これでもかと主題となって登場した人物「聖ヒエロニムス」。 私のような異教徒は、「誰?このおじいちゃん。」と思ってしまいます。 先ほど出展リストを見返してみたら、45点中ヒエロニムスさんが出てき…
女性画家 芸術のあらゆる分野において、女性作家というのは数少ないものです。美術の世界でも例外ではありません。 今でこそ女性の活躍を表すいくつかの指数の中で、女性議員の割合や女性重役の割合を数値化しているけれど、長い美術の歴史で女性作家の占め…
思い出の名画と題して、まず1枚。 ジョルジュ・ド・ラ・トゥール《大工の聖ヨゼフ》1942または45年 137×102cm 子供のころ父の本棚からそーっと取り出しては、好きで眺めていたこの絵。それが図録だったか美術書だったかは思い出せません。 ろうそくの炎のリ…
イタリアの現代アート 週末受けたイタリアの現代アートの授業。 面白かったです。 現代アートというとニューヨークが話題の中心になってしまうものですが、敗戦国イタリアとなると微妙な含みがあるのですね。 イタリアといえば、古代ローマ時代から文化や芸…
高間筆子とは 私は大正期に夭折した2人の画家、関根正二と村山槐多に強く惹かれるのだけれど、窪島誠一郎はこの2人に高間筆子を加え「大正期の若き天才オリオン」としています。 ときは、大正。ところは隅田の河のほとり。「丸惣」という石炭運送をいとなむ…
《信仰の悲しみ》 関根正二が第5回二科展にて樗牛賞を受賞した《信仰の悲しみ》。 大原美術館蔵 関根19歳(1918)の作。油彩・画布。70.0×100.0。 『本作について関根は、東京の日比谷公園で休んでいる時、公衆トイレから、こうした人々の列が金色に輝きなが…
細長い像 私の中で「あしながおじさん」のイメージは、ジャコメッティの彫刻です。やたらと細長くてボリュームがない彫像。 「あしなが」であることはもちろんなのですが、「姿がみえず、存在があるようでない。実態がないみたいだけれど、妙に存在感がある…
関根正二のこと 前回も書きました関根正二は福島県西白河郡大沼村(現白河市)に生まれ、1908年一家と合流し上京、深川で育ちます。 16歳の時知人とともに長野へ発ったのち分かれひとりで放浪し、洋画家の河野通勢と出会います。河野に大きな影響を受け、そ…
神奈川県立近代美術館 葉山 海を望む場所にある神奈川県立近代美術館 葉山。 ここに所蔵されているコレクション展「躍動する個性ー大正の新しさ」を観に行きました。 神奈川県立近代美術館はかつて著名な美術評論家、土方定一氏が長く館長を務めておられ、以…
村上隆の良さ 反論を覚悟で言い切ってしまうと、村上隆の良さがわかりません。 ルイ・ヴィトンの美しいバッグの上に村上隆のパンダが描かれたコラボ作品を見て「なんと勿体ない!!」と思ってしまった金槌頭です。 お花やパンダちゃんはカラフルで可愛いとは…
アウトサイダー・アートとは アウトサイダー・アート(アール・ブリュット)とは、精神疾患者、知的障碍者など正規の芸術教育を受けていない人たちの芸術を言います。 精神疾患を持っていても、ゴッホや草間彌生などは芸術家としての修行過程があるから含ま…
今年の展覧会の話題の一つである「バベルの塔」を観てきました。 金曜日の午前中だというのに、会場である東京都美術館に向かう人がぞくぞく。この調子だと会期ぎりぎりの週末はきっとエライことになりそう。こういう話題の展示は早めに見ておきたいですね。…
はじめまして このブログでは、観てきた展覧会、アート関係の書籍の感想などを綴っていきたいと思っています。 ワタクシ浮舟りつは、現在某ミュージアム系サイトでレポーターとして取材記事を書いております。そこでの記事は本名で署名しており、他の場では…