2018-01-01から1年間の記事一覧

今年の展覧会ー観たもの、行ったもの

今年もあと3日。年末年始休暇に入る美術館もチラホラ。 今年の美術館詣では打ち止めだと思うので、ここで総決算。今年行った展覧会(アートシーン)。一体いくつ?数えてみました。 ◎は、純粋に良かったもの。 〇は、気軽に行ったら期待以上だったもの。 1. …

「マルセル・デュシャンと日本美術」@東京国立博物館

レディメイドの車輪やベン…いや、《泉》などや、現代美術の教科書に掲載されてる写真とかもいっぱいあって、ミーハー的にワクワクした。授業で習った通りちゃんと「R.MUTT」のサインがある! 《チョコレート磨砕器》《彼女の独身者たちによって裸にされた花…

ピエール・ボナール展@国立新美術館

ボナールの絵が好きだと思ってたけれど、惹かれる絵はその中で限られてたというのがわかって、自分でもちょっとびっくり。あんまりグッと来た絵が少なくて、(以前見たものが結構あったせいかもしれないけれど)実はそんなに好きじゃなかったのかも。 ナビ派…

開館15周年 特別展 ジョルジュ・ルオー 聖なる芸術とモデルニテ@パナソニック汐留ミュージアム

厚塗りルオーの宗教画の数々。明るい色彩と石膏のようにも感じるマチエール。受難のキリストにも温かさと優しさを感じる。 冒頭のモノクロームの版画にすらルオーの質感が感じられるのが凄い。「生きるとはつらい業…」「でも愛することができたなら、なんと…

藤田嗣治展@東京都美術館

フジタについては、これほど国内で賛否両論ある画家もいないのではないか。とある重鎮のキュレーターの方にギャラリートークの上達法をお聞きする機会があったのだけれど、「対象を好きになること。だから僕はフジタに関しては語れない。」とのこと。いわず…

モネ それからの100年展@横浜美術館

モネの睡蓮、風景画の展示とその影響を受けたと思われる作家、あるいはオマージュ作品。現代アートがかなりあり、モネがその後の絵画史に大きな影響を与えたことがよくわかる。 色と形の変革。このころの絵画史は先人を乗り越えようとイズムを刷新し続けたわ…

イサム・ノグチー彫刻から身体・庭へ@東京オペラシティアートギャラリー

イサム・ノグチは、評伝も読んでいるし、映画「レオ二―」も観ているし、思い入れのある作家。どうしても来たかった。1枚目のドローイングでドギマギ。なんて綺麗な曲線を迷いなく引ける人なんだろうか。作家との相性は、理屈なくとにかく感性がぴったり合う…

水を描く@山種美術館

猛暑に清涼のひととき。様々な作家の水の表現の違いが楽しめる。これだけ水が作品の重要な要素になっているのは、日本が豊かな水のくにであるからこそ。先日レクチャーを受けた佐藤悠さんの鑑賞術の一つにあった「自分ではない者になってみる」。山元春挙の…

フェルメール 光の王国展2018@そごう美術館

色々ツッコミどころのある展覧会。オリジナルの品格を落としめているような複製画。プラスティックの額縁がそれを物語る。37点もそれを見せられて辟易していたところ、絵に登場する楽器のレプリカの展示。これは結構面白い。後半の顕微鏡の父レーウェンフッ…

原宿アートハシゴ 2018.8.9

落合芳幾@太田美術館。知名度はあまりないけど良い絵師。人体デッサンがしっかりしてるなと思う。キース・へリング@表参道ヒルズ。ユーモラスな画風だけど、風刺が効いていて重いテーマが多いことがわかる。ポップカルチャーの大御所のハートは決してポップ…

椹木野衣『感性は感動しない』

読了。サブタイトルが「美術の見方、批評の作法」とあり期待値高めで読み始める。今私の中で抱えている疑問を解決する糸口が欲しかったこともある。読み物としては、決して面白くないわけではないけれど、誰もが言いそうな事ばかりで、守りに入ってるのでは…

「巨匠たちのクレパス画展」@ 東郷青児記念 損保ジャパン日本興亜美術館。

とても面白かった。クレパスの画材としての表現力は多彩。特に夏を感じさせる色彩には抜群の表現力だ。どうしてこうも他の画材より訴える力を持つのかと考えたら、クレパス画は近視的に制作するからじゃないかという私なりの結論。塗りこめる時もより作品に…

チームラボ ボーダレス@お台場

話題のスポット行ってきた。刺激的で、ワクワクして、童心に帰って、時間も忘れて遊んだ。膨大なプロジェクションマッピング、描いた絵がキャラクターになって動くなど近未来的体験。でもアートスペースとアトラクションの違いって何?アートって芸術とは、…

ミケランジェロと理想の身体 @国立西洋美術館

飛び切り美しい肉体を持つミケランジェロ芸術に至る人体表現の歴史。横浜美術館でやっていた「ヌード展」とも繋がる主題でもある。コントラポストも男性のヌード表現が始まった理由も西洋美術史で習ったよなあと復習。冒頭のむちむちプットーさんのレリーフ…

金魚絵師 深堀隆介展 平成しんちう屋@平塚市美術館

平塚市美術館がこの夏休み、異例の長蛇の列。作家本人が制作に行き詰まった時に金魚を見ていて救われたという「金魚救い」。以来金魚のモティーフにこだわり続ける。アクリル樹脂に描かれた作品、彫刻、絵画、インスタレーションと金魚づくし。今の季節にぴ…

奈良美智「My Drawing Room」@原美術館

奈良美智作品。サブカルっぽくて、カワイイだけで、これ、ゲイジュツ?と懐疑的だった私。友達には「そう言わずに奈良美智の空間に行ってごらん。考えが変わるから」と苦笑されてた。昨日原美術館で出会った奈良美智「My Drawing Room」。いっぺんに虜になっ…

岡本神草の時代展@千葉市美術館 2018.7.7

完成した作品は少なく、草稿、写生、下図が殆ど。逆にそれがとても面白かった。 下図に書き添えられたメモ書きを必死になって読んで見る。神草の植物のスケッチが秀逸。花々がとても愛らしい。 半襟や長襦袢に描かれるハート状の花びらが散っているのもとっ…

ワークショップ with 特別支援学級生

先日とある美術館で、特別支援学級の中学生のワークショップの手伝いをしてきた。 子供たちについての事前情報を敢えてもらっていなかったが、あとで聞くと障害の重い子供たちと関わってたようだ。しかし、トラブルはほとんど起きなかったし、彼らとのコミュ…

ミラクルエッシャー展@上野の森美術館 2018.6.12

想像を上回る面白さ!光は影で影は光。見る人は見られる人で、広がる世界は閉じていた。この世に完全なる善も、完全なる悪もないということか。 1本1本の線に心の鐘が高鳴る! ブログ村・参加しています。 ポチッ!していただければ嬉しいです♡ ☟ にほんブロ…

長谷川利行展@府中市美術館 2018.6.3

放浪の画家。 大正の風景に関根の影を追う私。こんなところでも関根に恋する私がいる。困ったものだ。 曲がった建物の垂直線の微妙なバランスに驚愕する。長谷川は赤を描きたくて、他の色を置いたんじゃないか。全ては赤のために?いやいや、そのうちに赤を…