聖徳記念絵画館 in神宮外苑
ずっと気になっていた「聖徳記念絵画館」。
大正15年に完成した建物は美しくて、秋は青山通りからこの建物を見ると銀杏並木が映えてまさしくフォトジェニック。
私はこの正面にある対の一角獣が好き。
大学が近所なので、集中講義で疲れるとふらっとここまで散歩に来ます。
けれど、この絵画館の中に入ったことはなかったので、昼休み時間を利用して入ってみました。
建物に比べ、中の絵画が語られることは少ないので30分もあれば見ることはできるだろうと思っていました。
観覧料ではなく「施設維持協力金」として500円也。
中に入ると右と左に部屋が分かれています。
右と左の部屋には、日本画、洋画おのおの40点ずつの縦3m×横2.5mの同じ大きさの壁画がずらっと並びます。
ここは明治天皇崩御後、明治天皇の遺徳を絵画で物語るように構成されています。
歴史の教科書に出てくるような出来事を絵で確認することの面白さ。今でも名の通っている画家もいれば、当時は著名だったのだろうけれどもすでに忘れ去られている画家。それぞれの絵には奉納者がいて、そのテーマと奉納者の関わり合いを想像したり。そんなことを思いながら観ていたら、本当に面白いだろうなと思いました。
今回心に残った3点。
(画題)御深曾木
(画家)北野恒富
(奉納者)男爵 鴻池善右衛門
御簾の向こうに移る人影と簾の細かさ。精魂込めて描いた気迫が伝わるような作品でした。
さすが鏑木ワールド。遠くからでも引き寄せられる美しさ。高貴ですね。
(画題)岩倉邸行幸
(画家)北蓮蔵
(奉納者)商業会議所連合会
岩倉の病状を心配して、陛下が岩倉邸を訪れる図。当時の人々にとって陛下が自宅においでになるとは勿体ないことだったことでしょう。家人全員が恐縮されている様子が見て取れます。翌日息を引き取った岩倉も本望だったことでしょう。
今回は時間までに戻らなくてはならず、流して観てしまいましたが、次回はもっと時間をかけて入館したいと思いました。